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モーツァルト:フルート四重奏曲 第1番 二長調、第4番 イ長調 [モーツァルト:フルート四重奏曲]

 弦楽四重奏曲や弦楽五重奏よりも、私はモーツァルトのフルート四重奏曲を好む。私の手元にあるCDはウィーン室内合奏団が日本の浦和にして録音したもので、音楽や丸山眞男関連の著書で知られてる中野雄氏がプロデューサーをつとめた名品である。

 中野氏が携わった録音というのは、CDで聴いてもアナログ的な質感があり、耳に心地よい。弦の柔らかみや芯のある響きがしっとりとした音色で収録されており、ウィーン・フィルの名手たちの演奏がこうした自然な響きで録音に残されたこと自体が本当に素晴らしい。

 私が初めてアマデウスのフルート四重奏曲を聴いたのもこの盤であり、その美しさに聴き惚れてしまった。どこをとっても美しく、そしてモーツァルトの音楽のエッセンスが詰まった名曲中の名曲だと思う。

 フルートを奏しているのは私が好きなウェルナー・トリップ、それにゲルハルト・ヘッツェル(1st vn)、ウィルヘルム・ヒューブナー(2nd vn)、ルドルフ・シュトレング(va)、アダルベルト・スコチッチ(vc) といった名手達が花を添える。

 フルートという楽器をモーツァルトは「我慢ならない」と書いているようだが、私は好き。トリップが奏でる優しく格調の高い音色を聴けば、モーツァルトも見直したかもしれない。もっとも、モーツァルト時代のフルートはトラヴェルソであったのだろうし(本当のところは正確にはわからない、すみません)、今のフルートとは違うかもしれない。

 ハープやフルートといった楽器が持つ音色や響きは、ストレスに苛まれる時や体調不良の時に格別、五臓六腑に染みわたる。谷川の清流のような涼やかな響き。このモーツァルトのフルート四重奏曲はいつ聴いても「癒し」の力を持っているように思う。


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