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ラヴェル:序奏とアレグロ~ハープ、弦楽四重奏、フルートとクラリネットのための [ラヴェル:弦楽四重奏関連]

 このBLOGはso-netが運営しているのですが、とても嬉しいことに、BLOGを簡単に本にすることができるようになりました。

 いつかクラシック音楽や弦楽四重奏の話題について書き連ね、それをまとめて自費出版(しかも自己満足のためだけに)できたら面白い、親しい人に配りまくろうなどと目論んでいたのですが、そんなに簡単に本にできるのであれば、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集の比較試聴をメインにした書をぜひ実現させたいものです(自分のために)。

 もっとも、肝心要の比較試聴の作業は遅々として進んでいません。一体あと何年かかるのでしょうか。苦手な作品132に取り組み出した途端、妙に腰が引けてしまって、一時的に興味をなくしてしまった。

 自分の苦手な曲なら扱う必要がないのかもしれませんが、何事も凝り性な私としてはやはり避けては通れないのです。

 さらに、最近の私は四重奏を聴くことから少し遠ざかっています。

 というのも、聴きたい演奏や曲が廃盤になっていることが多く、諦めムードに浸らされるからです。世界には死蔵されている録音も数多くあるのでしょうし、弦楽四重奏というジャンルが持つ内容の深さから比すれば至極勿体無いものです。

 先日、大音響のブルックナーを聴き続けて、少し静かに音楽を楽しみたいなと思ったときに取り出したディスクがありました。

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 『リリー・ラスキーヌ:エラート録音集大成』。こんな大物を買い求めるのはハープを愛する方かラスキーヌのファンの方くらいかと存じますが、私がこのセットを購入した理由は「面白そうだから」でした。

 ハープの音楽なんて、あまり聴いたことはなかったし、クラシック音楽の中でどれくらいハープの曲があるのかなどと考え出すと、手っ取り早く名手のディスクを入手するのが早いわけです。

 ラスキーヌはその道では女王とされるほどの大家。こういう巨匠の全録音がどかんと家に置かれているのをご想像ください。それはそれは心豊かになり、世の中の世知辛いことなど(一瞬)忘れるほどです。

 そのラスキーヌがヴィア・ノヴァ四重奏団と組んで録音したラヴェルに、「序奏とアレグロ」があります。ちょいとお酒をひっかけて、ほろ酔い加減で聴く音楽と申せましょう。

 洒落た音楽とハープが発する虹色の音響は、居ながらにして私たちをおとぎの世界に誘うようですらあります。以前書いたショーソンの室内楽も美しいけれど、ラヴェルはもっとメルヘン的。弦楽四重奏の真髄を熟知した作曲家の技法は冴え、さわやかな聴感を与えてくれます。

 それにしても、四重奏にハープを重ねるなんて。フルートとクラリネットが何と清涼感を増すことでしょう。不思議なことに、10'52''のタイムがあっという間に終わってしまうのです。

 やっぱり、ラヴェルって作曲家は怖ろしいほど、洒落たセンスの塊のようです。


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