R. シュトラウスの弦楽六重奏曲 [R. シュトラウス:弦楽六重奏曲]
今朝は午後15:30起床。年末から年始にかけて我が家は大変なことになっています。世間ではノロ・ウィルスが話題になっていますが、我が家ではロタ・ウィルスによる風邪が蔓延しています。高熱と腹痛、吐き気、腹下しなどの症状で、家中が床に伏せっている状態。一番年寄りの父君がひとり元気で焼酎をやっているという不思議。
こういう時は音楽などはあまり聴く気にならず、ふとんの上でごろごろと小西甚一氏の『古文研究法』などを読むのですが、何か音楽をと思って思い出したのが、R.シュトラウスの弦楽六重奏曲でした。
試みに室内楽曲関連の名曲名盤選のような本をめくってみますと、R. シュトラウスの室内楽曲は「ヴァイオリン・ソナタ」が掲載されているくらい。弦楽四重奏曲はたった一曲残されているが、R.シュトラウスには弦楽六重奏曲も存在し、これが聴き逃すには惜しい絶品なのです。
ただ、単独で奏されることはあまりなく、CDでも何団体かが余白に収録している程度で、あくまでアンコール・ピースな位置づけの音楽の様子。
それもそのはず、この曲は、R.シュトラウスの最後の歌劇「カプリッチョ」の序奏であり、歌劇自体もポピュラーとは言い難いところがあります。実は、このオペラは私の好きな作品なのです。しかし、今回はその序奏の話。
個人的好みの話をしますと、R.シュトラウスの音楽では「4つの最後の歌」が一番好きですが、あの人生の夕映えを思わせる香炉のたなびきのような美しさが、この弦楽六重奏による序奏でも聴かれるのです。
弦楽六重奏という形態によって、さらに音楽は洗練され、彼岸から響いてくるような美しさを持っています。ほんの小曲の中に「人生は一睡の夢のごとし」という言葉が聴かれるのです。
CDは廃盤になってしまったかもしれませんが、キリ・テ・カナワが令嬢役を歌い、ウルフ・シルマーがウィーン・フィルを指揮したLondon盤がとても美しい演奏です。
このオペラの成立には指揮者クレメンス・クラウスが参画していますが、そのクラウスによるライヴ演奏も録音が残っています。私は未聴ですが、是非聴いてみたい代物ですね。
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